夢はなくとも時は過ぎ行く

広告クリエイター、コピーライター、CMディレクターから大好きな人を一人ずつ紹介。


【広告クリエイター】

福田敏也。日本で唯一、カンヌ国際広告祭サイバーライオン金賞を受賞(2002年)した。彼の作ったもので、とりわけcoolなinteractive banner*1

webの特性を活かしたメッセージ性の高い、これらのバナーは広告の域を超え、思想にまで影響を及ぼしてくる。


【コピーライター】

松田正志。2006年度ACC CM FESTIVALベストコピーを受賞した作品はnewsingで史上最高の4426pointを集めていた。




ひとは大切なものには惜しみなく時間を割く。最近、なにに最も時間を費やしただろう。悠久の時の流れの中でいったい僕になにができるだろう。


【CMディレクター】

国内外で最も有名な日本のCMディレクターは杉山登志であろう。

広告の話題が出る度に、彼がキャリア絶頂期の1973年に自宅で首吊り自殺(享年37)したとき書き残した遺書を思い出す。


リッチでないのに 
リッチな世界などわかりません
ハッピーでないのに
ハッピーな世界などえがけません
「夢」がないのに
「夢」をうることなどは……とても
嘘をついてもばれるものです


本質を見極めた審美眼では、偽り無き自分の存在そのものをどのように評価し、どのように社会と適合させようと足掻いてきたのだろうか。僕に分かる確かなことといえば、残された作品に触れた時に感じる、彼が偽りとした「夢」には、幸福な気持ちにさせる力があるということだ。「夢」無き男の乾いた魂の結実は、同様に乾いていた僕の心に不思議と心地よく響いてくる。

*1:クリックをするたびに画像が変わってゆくバナー広告