読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

文章論は好きでも(一部の)ブログ論を好きになれない

blog


「自分語りが止まらない女性をおとなしくさせるのに最も効果的だった方法」で言及した、
“ブログを書くスタンスとして、閲覧者が自由に感想を持てるように説明を排除したい”について書く。

「当たり前のことが案外できていないと思った日常の1コマ」 はてなブックマーク数を例にする。

休日に洋服選びに付き合った。

書き出しの一行には“誰と”行動を共にしたとは書いていない。
その後の会話にある台詞で相手が女性であるとは分かる。
しかし、それがつきあってる女性なのか異性のただの友達なのかは書いていない。


次に会話部分の表記。

ぼく「」
彼女「」

という脚本のような“誰の”台詞かの説明がない。


そして記事は会話をもって結論の文もないまま唐突に終わる。
読者は少しの奇妙な違和感を持ってタイトルを読み直す。
そこでわずかの間、意味を考える。


僕はこの「考える」という作業を促したい。
ここでいう考える対象は、筆者はなにを言わんとしたかということではなく、
自分にとってここからなにを得て、なにを見出せるか、についてである。


状況や背景は詳しく書いたほうが伝わりやすいのではと思うかもしれないが、
以下の2点の理由から排除している。

1. 内容が陳腐になったり、すぐに古びてしまう

星新一は近未来というSFの世界観を保つ為、時代と共に古びぬよう、主人公に「N氏」と名付けた。
現在ホットエントリになっている「もしも「耳をすませば」の舞台が2008年だったら」を読めば、明らかだろう。
同時期に流行した岡本真夜の1995年の名バラード「Alone」の歌詞にある
“『カードがもうないから』嘘ついて 電話を切った”にしても、
電話ボックスというテンポラリーな場所だから泣けるのであって、
“「バッテリーがもうないから」”ではさまにならない。


2. 馴染みのないものである場合、他人事としてしか読めなくなる

例えば買い物の内容がスイーツ(笑)だった場合はどうだろう。

彼女「このガレーっていうショコラティエは1976年創業と歴史が浅いのに、
1994年に異例のスピードでベルギー王室御用達認定を受けたので有名なのよ〜」
僕「ふーん・・・」
彼女「スイーツって見てるだけで幸せよねー。・・・あら、どうしたの?」
僕「いや別に。じゃ、買うもの決まったら教えて」
彼女「うん♪」(ry


とここまで書いて(筆が進まなくなって)再認識したのは、
いわゆる文章論についてならあれこれ書きたいのだが、
ブログ論としての文章術についての考察はあまり関心が無いということだ。


リーダビリティの高さは必要だとは思うけれど、
作品として小説を書くのと、ブログを書くのとは根本的に違いすぎる。
話題になっているブログ論は数多く読んだが、
所謂訪問者を増やす為のテクニック云々には興味がもてない。
共感できるのは、その人自身が楽しんでいるというのが感じられる言説。

以前からそうだったけれど、僕にとって一番面白いのは僕のblogだというようなことを思う。まあ傲慢だと言われそうだけど、ペースを落としながらもblogを書き続ける理由は、誰のためでもなく「将来それを読み返すであろう自分のため」だったりする。

「diggin' in your virtual-vault - あんたジャージでどこ行くの」

自分のブログを好きでいて、「早く次のエントリが読みたい!」って思えることは、強い原動力になりえます。また、過去のエントリを読み返して「もっと良いものを書きたい!」って思うことが向上心の元になることだってあります。

ブログを長く続ける秘訣は自分が自分のブログの最高の読者であり批評家でいること - novtan別館

僕は、自分が書いた文章が好きだし、自分が作った音楽が好きだ。でも、それだけではなくて、自分の仕事や自分が発表した作品が、会社や、周囲の友人、ネット上の見ず知らずのひとから、どんな風に評価されるのか、気になる。具体例を挙げれば、ブログの毎日のアクセス数を眺めたりコメントを読んだりして一喜一憂したりする類のものである。
評価が気になるというのは、弱い部分なのかもしれないけれども、僕はそういう部分も含めて、自分が好きなのだ。
「自分大好き」な自分が好き、ともいうけどね。

自意識過剰について考えてみた - BLOG STATION


結局、ブログは自分史であって、基本的には極私的なものとして捉えているので、
多用な価値観の存在するこのご時勢に、
無理に多くの共感を求めようとしていないだけかもしれない。


追記

ところで、リーダビリティといえば、「テキストサイトマンセー、ブロガー?プゲラ」な
糸色さんの改行無しどころか、句読点も無いスタイルと罵倒芸が面白い。
僕もからんでみたら、すかさず、こんな素敵な記事を書いてくださった。

こんなこと言われたんでこんなこと言い返したんですよ - 文化レベルが高すぎます

あれ?期待外れ。つかこれじゃ「ほんとはいい人なんじゃん?」となるじゃないですか><
もうちょっとdisってくれないと、七回氏ねとは思えません><