ベルギーとフランスのおすすめ人気高級チョコレート(ショコラ)ブランドランキング&東京・大阪のショコラトリーまとめ&チョコレート用語集 バレンタイン記念

 近年、バレンタインシーズン限定で出店される海外高級ブランド&有名ショコラティエの人気チョコレート店(ショコラトリー)の数が急激に増えた。サロン・デュ・ショコラ*1を日本でも東京*2、京都*3、名古屋*4、札幌*5、福岡*6、仙台*7、大阪*8で開催され、どこでも好評だったからであろう。これをきっかけに日本では知られていなかった大物パティシエ、有名ショコラティエが来日した。また、丸の内界隈を中心に高級ショコラトリーの存在が浸透してきた影響も大きい。おかげでいまやデパートのバレンタイン特設会場ではどこも50〜100ものブランドが集結し、その全てを試食していられまい。ならば予備知識を得ようとググっても、有益な情報は得られない*9
 そこで、現時点で知り得る高級チョコレート・ブランドの情報をベルギーとフランスの2国を中心にまとめた。絞った理由は素材と技術。植物油を5%までに限って代用油脂に使用することを認めてしまったEUの欧州議会に反発し、原材料は最高品質のクーベルチュールのみを使用しており、また、優秀な職人には称号を与え、本場の味と技術の伝統を守り続けているからだ。
 ちなみに何故カカオバターに拘るかというと、「口溶け」の違いカカオバターは常温では固体なのに、28℃で溶け始め、30℃で完全に溶ける。つまり、チョコを口の中に入れた途端、急激に溶け出し、チョコの粒子の細かさと相まって、あの芸術的な舌触りが感じられる(詳細は後述のチョコレート用語集参照)。1502年コロンブスによって発見されたカカオは、その品種や栽培、ブレンドや製法により、多種多様な味と香りを醸し出す。 
●東京にあるショコラトリー(Chocolaterie チョコレート専門店) ブティックリスト

東京とってもおいしいチョコレート屋さん

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トリュフ&プラリネMIXギフト12p

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リンツ バニー&ゴールド缶 96g

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●関西にあるショコラトリー ブティックリスト

●札幌にあるショコラトリー ブティックリスト

    
ベルギー王室御用達ショコラトリー(チョコレート専門店) BELGIAN ROYAL WARRANT HOLDERS

なかでも注目なのは、2009年初上陸(三越限定)のメリー。1919年に創立し最初にベルギー王室御用達証を授与した老舗。日本のメリーチョコレートと名前が同じなので日本ではマダム・ドリュックとして販売される。ちなみに、日本のメリーチョコレートも海外ではTokyo Chocolate(旧マダム・セツコ)として売られている。
お勧めはガレーのビジュ・レスカリエS。螺旋階段(レスカリエ)をイメージしたジュエリーケースにチャーム(ブレスレット)付

ガレー・アソートチョコ5箱セット

ガレー・アソートチョコ5箱セット

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ベルギーチョコレート大使 終身称号 

他2名
ベルギーチョコレート大使とはバリーカレボー社のThe Barry Callebaut Ambassadors Clubのメンバーとなるカレボー大使(アンバサダー)に任命されるもので、現在70名以上。日本人ではバリーカレボー社主催ワールドチョコレートマスターズで第1回3位の和泉光一、第2回優勝の水野直己がカレボー大使に任命されている。  
2003年にはヨーロッパ9カ国のチョコレート大使が集まる「国際ベルギーチョコレート大会」も行われた。
ベルギーのショコラセレクトショップ

今回、ヤン・アンデリース jan andries*40とコラボレーションしたコレクションを購入した。
 
●フランスのショコラセレクトショップ-ヴィア・ショコラ 
●フランス三大ショコラトリー*41

C.C.C. Le Guide du Club des Croqueurs de Chocolat ル・ギド・デュ・クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ 
1981年にクラブの名誉会長であり料理評論家のクロード・ルベと美食家・ジャーナリスト6人で設立されたクラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ(フランスの最も権威のあるショコラ愛好家協会)によるショコラガイドブック。ショコラ版ミシュラン。150人に限定されたメンバーの中には各界の著名人が名を連ねる。
2011年度版までに格付け最高位の5タブレット獲得したのは14ショコラティエ

●le meilleur pâtissier de l' année ! Pour 最優秀パティシエ賞
フランスのガストロノミーのガイドブックとして有名な「pudlo(ピュドロ)」が選出。

  • 2011年の最優秀パティシエ賞 青木定治(パティスリー・サダハル・アオキ・パリ) 

M.O.F(Meilleurs Ouvriers de France メイユ・ウヴリエ・ド・フランス) フランス国家最優秀職人 
1924年に創設。3年おきにコンクール開催。 
ショコラティエ部門」1990年創設。M.O.F.ショコラティエは18人のみ

「パティシエ&コンフィズール部門

「グラシエ部門

●Relais Desserts ルレ・デセール 
フランスで1981年に作られたパティシエのための国際的洋菓子協会。
会長はフレデリック・カッセル(ハイアットリージェンシー京都に海外初出店)、副会長はピエール・エルメ、フレデリック・ジュヴォー(ジュヴォー。広尾にル・パティシエ・ジュヴォー・プロヴァンサル)。初代会長はルクセンブルグのピット・オーバーバイス。
会員に認定されるには、既会員2名の推薦が必要で、選定委員会の会社訪問審査、毎年9月定例セミナーでの実技審査に合格が条件で、合格者は年に数人。最高水準を保つために、会員は100名以下に限定している狭き門
日本人会員は以下の5名のみ。杉野英実(イデミスギノ)、大塚良成(パティスリー・ジャック)、川口行彦(オリジンーヌ・カカオ)、寺井則彦(エーグル・ドゥース)、青木定治(パティスリー・サダハル・アオキ・パリ)
ルレ・デセールのコレクションを阪急うめだ店で購入した際、ミカエル・アズーズ(グリオティーン)にサインを頂いた。


●Concours Charles Proust シャルル・プルースト・コンクール
ルレ・デセールが主催し、2年に1度、フランス「サロン・デュ・ショコラ」にて行われるショコラのコンクール。12名(4名ずつ×3回)のショコラティエ・パティシエが参加し、コーヒーとグランマニエ(オレンジリキュール)を使ったアントルメ、アントルメを使用したショコラのピエスモンテを1時間半の制限時間内に作成し、「ピエスモンテ」「デギュスタシオン(味覚)」「プレザンタシオン(芸術性)」で競う。フランスで最も権威ある製菓コンテストの一つ。 優秀な菓子職人でフランスの製菓共済組合サン・ミシェル元会長シャルル・プルーストにちなんで始まった。1997年を最後に途絶えていたが2006年に復活。過去に優勝した日本人は1977年に酒井雅夫(クレモンフェラン@広尾)、1979年に熊坂孝明(シュークルダール@埼玉)、1995年に堀江新(ラ・ヴィ・ドゥース@曙橋) 

  • 第1回(2006) テーマ「おとぎ話」優勝:ジュリアン・ブトネ 2位:浅見欣則(キュブレー@仏)
  • 第2回(2008) テーマ「世界における21世紀のクリスマス」優勝:冨田大介(エーグル・ドゥース@目白)

Coupe du Monde de la Patisserie クープ・デュ・モンド・ド・ラ・パティスリー(クープ・ド・モンド)
1989年にフランスのM.O.F.パティシエ、ガブリエル・パイアソン(Gabriel Paillasson)とヴァローナ社(VALRHONA)によって創設。2年に1度、リヨンにて行われる国際製菓コンクール。各国の代表選手3名が「アントルメ・ショコラと飴のピエスモンテ(高さ1〜2mの細工)部門」「アシェットデセール(皿盛りデザート)とチョコレートのピエスモンテ部門」「アントルメ・グラッセと氷彫刻部門」の各部門1名づつで、10時間以内にすべてを作りあげる団体戦。
創設者ガブリエル・パイアソンの「より開かれたコンテストにしたい」 との意向により、前大会で優勝した国の参加はできない規定となっているが、20周年記念大会の特別措置として2009年は日本チームが出場できた。

  • 第1回(1989) ?位(加藤信、望月完次朗、小林春夫) 優勝フランス
  • 第2回(1991) 優勝(杉野英実、安藤明、林雅彦)
  • 第3回(1993) ?位(稲村省三、横田秀夫、大野龍男) 優勝フランス
  • 第4回(1995) 2位(柳正司、及川太平、後藤順一) 優勝ベルギー
  • 第5回(1997) 3位(辻口博啓、花口庄太郎、及川太平) 優勝イタリア
  • 第6回(1999) 4位(堀江新、山本光二、五十嵐宏) 優勝フランス
  • 第7回(2001) 2位(五十嵐宏、朝田晋平、福田雅之) 優勝アメリカ
  • 第8回(2003) 2位(寺井則彦、松島義典、野島宏) 優勝フランス
  • 第9回(2005) 4位(金子浩、栗本佳夫、櫻智行) 優勝フランス
  • 第10回(2007) 優勝(藤本智美、市川幸雄、長田和也)
  • 第11回(2009) 4位(若林繁、林正明、山本健) 優勝フランス
  • 第12回(2011) 4位(中山和大、鍋田幸宏、垣本晃宏) 優勝スペイン  

●WPTC(World Pastry Team Championship) ワールド・ペストリーチーム・チャンピオンシップ 
2002年に創設。2年に1度アメリカで開催される国際製菓コンクール。大会テーマに基づきアメ細工部門・チョコレート細工部門・味覚部門(「アントルメ」「プティガトー3種」「アントルメグラッセ(冷菓)」「アシェットデセール」「ボンボンショコラ3種」の計9品のガトー)を3人一組で2日間計13時間以内にすべてを作りあげる。

  • 第1回(2002)テーマ「サーカス」5位(望月完次郎、中島眞介、喜島立也) 優勝アメリカ
  • 第2回(2004)テーマ「水・大地・風・火」4位(朝田晋平、後藤順一、武藤修司) 優勝アメリカ
  • 第3回(2006)テーマ「陰&陽」2位(和泉光一、林正明、武藤修司) 優勝フランス
  • 第4回(2008)テーマ「イマジネーション」 2位(川村英樹、藤田浩二、和泉光一) 優勝アメリカ
  • 第5回(2010)テーマ「幼少期」 優勝(山本隆夫、三宅善秋、五十嵐宏) 2位イタリア 

●IPGP(International Patisserie Grand Prix) 世界パティスリー
2009年に創設。日本で開催される国際製菓コンクール。大会特別協力委員は望月完次郎、辻口博啓。世界2大大会『クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー』『WPTC』で優秀な成績を納めた監督が3名のパティシエを選出。

World Chocolate Masters ワールドチョコレートマスターズ
2005年に創設。バリーカレボー社(Barry Callebaut)が主催し、2年に1度フランスで行われるショコラの国際コンクール。予選を勝ち抜いた各国代表が大会テーマに基づき「ボンボン・ショコラ(型抜きと手がけの2種)」「アシェットデセール」「アントルメ」「ピエスモンテ」「チョコレートハット(チョコレートの帽子)」の6種類を製作して競い合う。

Academy of Chocolates Awards 世界チョコレートアワード2006年に創設。英アカデミー・オブ・チョコレート主催
第1回(2006年) Best Bean to Bar Gold : Amedei Chuao、Amedei Porcelana
第2回(2007年) Best bean to bar Gold : Amedei Chuao、Amedei Porcelana、Amedei Toscano Black 70%、Michel Cluizel Maralumi、Valrhona, Araguan
第3回(2008年) Best bean to bar Gold : Amedei Toscano 63% 、Valrhona Manjari 64%、Valrhona Guanaja 70%、Amedei Porcelana、Amedei Chuao
第4回(2009年) Best bean to bar Gold : Amedei No 9、Amedei Porcelana、Amano Madagascar、Amedei Toscano Black 70%、Valrhona Manjari 
●製菓用クーベルチュールの製造ブランド(業務用チョコレートメーカー)

  • バリーカレボー社(BARRY CALLEBAUT/フランス+ベルギー/1996年カレボー社とカカオバリー社が合併)
  • カレボー社(CALLEBAUT/ベルギー/1850年創業。ベルギーチョコの代名詞→1996年バリーカレボー社)
  • ベルコラーデ社(Belcolade/ベルギー/1988年創業)
  • ヴァローナ社(VALRHONA/フランス/1922年創業)
  • ヴェイス社(Weiss/フランス/1882年創業)
  • オペラ社(OPERA/フランス/1955年創業)
  • カオカ社(KAOKA/フランス/1993年創業)
  • ペック社(PECQ/フランス/1937年創業)
  • ミッシェルクルイゼル社(MICHEL CLUIZEL/フランス/1947年創業)
  • カカオバリー社(CACAO BARRY/フランス/1842年創業→1996年バリーカレボー社)
  • プラリュ社(Pralus/フランス/1948年創業)
  • DGF社(DGF/フランス/1986年創業)
  • エルレイ社(EL REY/ベネズエラ/1929年創業)
  • ドモーリ社(DOMORI/イタリア/1994年創業) *46
  • アメディ社(Amedei/イタリア/1989年創業)
  • カルマ社(Carma/スイス/1931年創業。日本で最初に輸入されたメーカー)
  • スシャール社(Suchard/スイス/1826年創業→1990年クラフトフーヅ社に買収される)
  • チョコヴィック社(CHOCOVIC/スペイン/1872年創業)
  • ハーシー社(HERSHEY/アメリカ/1894年創業)
  • アマノ社(Amano/アメリカ/1996年創業)
  • 大東カカオ社(日本/1924年創業)
  • 森永製菓社(日本/1899年創業)
  • 不二製油社(日本/1950年創業)

高級フランス板チョコレートセット 100g×5枚 500g

高級フランス板チョコレートセット 100g×5枚 500g

 
●チョコレート用語集

  • ショコラトリーとはチョコレート専門店。Chocolaterie
  • ショコラティエとはチョコレート職人(アルチザン)
  • パティシエとはケーキ職人
  • グラシエとはアイスクリーム職人
  • コンフィズールとはジャム職人
  • キャラメリエとはキャラメル職人
  • トレトゥールとは惣菜職人
  • チョコレートとは砂糖、カカオ分35%以上、カカオバター18%以上、脱脂粉末カカオ14%以上が含まれているお菓子。チョコレートの起源は“神々の飲み物”としてマヤの人々に知られていたものを、17世紀スペインのカルロス5世が砂糖を加え飲んだと言われる。その後、欧州各国に嫁いだスペイン王家の王女によって広まった。
  • テオブロマ・カカオとはカカオの木の学名ギリシャ語で「神の食べ物」の意味。
  • カカオポッドとはカカオの木の実。カボッサ
  • カボッサとはカカオの木の果実。カカオポッド
  • カカオ豆とはカカオポッド(カボッサ)から取り出された種子を発酵し、乾燥させたもの。カカオが凝縮された種子から取れる。
  • クリュとは特定の土壌で生育されたカカオ。
  • フォラステロ種とはカカオの品種で、生命力が強く、カカオ生産量の80%と最も普及している。比較的苦味と酸味があり、繊細さよりも力強い味わいが特徴。アマゾン川流域が原産地で、西アフリカで栽培されている。「異国の」という意味。
  • クリオロ種とはカカオの品種で、生産率は5%未満。自然の変化や病気に弱く、実の数も少ない。カリブ海エクアドルスリナムマダガスカルおよびベネズエラなどメソアメリカで栽培。品質は良く、豊かな香りを持つ。苦味が少なく、口の中にまろやかな味と香りが残るのが特徴。スペイン語で「土着の」の意味
  • ボルチェラーナとはイタリア語で「陶磁器」の意味で、ベネズエラ原産クリオロ種の唯一の純粋なカカオ。カカオ豆が粘り気のある白い果肉(粘液)に包まれていることからこうよばれる。極めて収穫量が少ない。
  • トリニタリオ種とはカカオの品種で、クリオロ種とフォラステロ種の交配種で、18世紀半ばトリニダード島の自然災害が齎した偶然の産物。元々クリオロ種と同産地で栽培されていたが、中央アメリカやアフリカ、東南アジアでも生育されるようになった。長く口の中に残る力強いカカオの味が特徴。生産率は約10%〜20%。ブレンド用
  • カオナショナル種とはカカオの品種で、希少価値が高く、エクアドルが原産地。独特な花のような芳香を放ち、良質な「アリバ・カカオ」として知られる。生産率は0.5%未満。
  • ファイン・カカオとは味覚、色ともに優れ、特定の国で生産されていることが条件のカカオ。世界市場でファイン・カカオの占める割合は3.7%で世界生産量が128,000t。各輸出国の総生産量の内ファイン・ カカオが占める割合が100%の国=コロンビア、グレナダ、ジャマイカ、ドミニカ、セントルシア、サモア諸島スリナムトリニダード・トバゴ、75%の国=エクアドルベネズエラ、50%の国=マダガスカル、35%の国=サントメプリンシペ、25%の国=コスタリカ、パナマ、パプアニューギニアスリランカ、1%の国=ジャワ島
  • カカオニブとは焙煎してからコンカッサーによる破砕で剥皮された(外皮と殻を取り除いた)カカオ豆の胚乳部分。カカオの粒
  • カカオマスとはカカオニブをグラインダー(磨砕)して作られるほろ苦いペースト。別名はカカオリカー、チョコレートリカー、ビターチョコレート、カカオペースト
  • カカオバターとはカカオマスを搾って抽出した油脂。カカオ豆に含有される脂肪分。体温で溶ける唯一の植物性油脂。他の植物油脂に比べ融点が約28℃と低い為、カカオバターの含有量が多いほどまろやかになり、チョコレートの口溶けの良さを左右する。カカオペーストから油脂分を抽出してできるものと、ローストしてから皮を取り除いたカカオを粉砕して作られるものがある。ホットチョコレートの主原料。カカオバターを結晶化したのがチョコレートで、カカオマスからカカオバターを搾り取った残りを粉末にしたものがココアパウダー。つまり、ココアもチョコもカカオマスが原材料
  • カカオパウダーとはカカオ豆を洗浄、ローストし、皮を取り除いたものを細かく砕いて作られる。カカオバターは20%以上、水分は9%以上含まれる。
  • チョコレートパウダーとはカカオパウダーに砂糖を加えたもの。カカオは32%以上。
  • 結晶化=微妙な冷却とそれに続く加熱によるカカオバターの凝固
  • テンパリングとは液体状チョコレートのカカオバターを結晶化させる工程。調温。一度溶かしたチョコレートを冷やし固める段階で、微妙な温度調節をしながらチョコレートに含まれるカカオバターの結晶組織を一度分解し、再結晶化させていく工程。なめらかな口溶けとつややかな光沢を作り出すうえで最も重要な作業です。 温度調節をしてカカオバターの中の良い結晶を作り出すために行う作業のこと。溶かしたチョコレートを27℃まで冷やし、再び29〜30℃まで上げるとカカオバターの分子の結晶が最良の形となり、つやのあるなめらかなチョコレートに仕上がります。冷水にあてたり、湯せんにして行いますが、チョコレートは水分を嫌いますので注意して作業すること。
  • 焙煎とは熱処理によって大部分の水分を取除きチョコレートを特徴付けるアロマ成分を引出す工程。
  • コンチングとはチョコレート製造の最終工程。砕いたカカオから抽出したペーストをコンチェ(大型タンク)で練り上げ、余分な水分、発揮性の酸味を取り除いて乳化し、アロマを立ち上らせて滑らかなチョコレートに仕上げる。チョコレートを作るプロセスにおいての重要なステップであり、品質を保つためのステップとしても必要不可欠。コンカッジョ。
  • パヴェ・ド・ショコラとは石畳チョコレート
  • 生チョコレートとはチョコレート生地に生クリームや洋酒などの含水可食物を練り込んだガナッシュ。1988年シルスマリア社が創出した日本独特の規格
  • 純チョコレート(ピュアチョコレート)とはカカオ成分としては、ココアバターのみ、またはカカオマスココアバターのみを原料としているチョコレート
  • クリュとはひとつの原産地のカカオのみを使用して製造されたチョコレート。
  • クーベルチュールとはフランス語で「覆い」という意味。製菓用高品質チョコレート。国際規格では「総カカオ固形分35%以上、カカオバター31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上、カカオバター以外の代用油脂(植物油等)は使用不可」とある。香りやきめの細かさ、口当たりに優れている。ノワール(ダーク)、レ(ミルク)、ブラン(ホワイト)の3種類がある。メーカーは、カレボー社、ヴァローナ社、スシャール社、ヴェイス社、ベルコラーデ社が著名
  • ビターチョコレート(ブラックチョコレート、ダークチョコレート)とはミルク(乳製品)が入らない、カカオマスが40〜60%のチョコレート
  • ミルクチョコレートとは全脂粉乳、脱脂粉乳、クリーム粉乳などの乳製品の入ったチョコレート。
  • クリームチョコレートとはクリーム粉乳の入ったチョコレート
  • ホワイトチョコレートとはココアバターにミルク、砂糖などを加えて作るチョコレート
  • 洋生用チョコレートとはココアバターが含まれていないか、含まれていても少量で、テンパリングしなくても溶かすだけで使えるチョコレート
  • プラリネとは砂糖水にアーモンドまたはヘーゼルナッツを加え、弱火でカラメル状になるまで煮詰たもの。名前の由来は17世紀フランス国王ルイ13世のためにプラリネを作ったプレシス・プララン公。
  • プラリネアンシエンヌとはペースト状になっているプラリネを冷ましてから、細かく砕いたもの
  • プラリネペースト(プラリネマッセ)とはプラリネアンシエンヌを更にローラーにかけてすり潰しナッツクリームにしたもの
  • ガナッシュとは沸騰直前まで温めた生クリームに細かく刻んだ製菓用チョコレートを入れて溶かし、練り混ぜたもの。チョコレート、クリーム、バターとミルクをブレンドする。プレーンなもの、コーヒーや紅茶、スパイスなどで香りをつけたもの、フルーツの果肉を混ぜたものもある。センターフィリングに使われたり、柔らかい状態にして焼菓子のコーティングに使う。
  • ジャンドゥーヤとは軽くローストしたへーゼルナッツやアーモンドを、粉砂糖、チョコレート、バニラ等の香料を加えてをすり潰し、ローラーでペースト状にしたもの。イタリアの老舗カファレル社のジャンドゥイオッティにヘーゼルナッツを混ぜたことから生まれた。
  • ヌガティーヌとは水飴、砂糖をカラメル色まで煮詰め、アーモンド等のナッツを加え、薄くのばしたもの。ヌガー
  • フォンダンショコラとは溶かしたチョコレートに溶かしバター、ほぐした全卵、砂糖、小麦粉を加え、なめらかな生地にし、オーブンで焼いたもの。水気がなくなって砂糖が結晶化するまで煮詰める。
  • フォンダンとは糖衣をかけたもの。砂糖、水、水飴を煮詰めて、白いペースト状に練り合わせたもの。口の中でさっと溶けるの意味
  • フィリングとはボンボンの中の詰め物。ガナッシュ、プラリネ、ジャンドゥーヤやヌガティーヌなど。
  • ボンボンとは一口サイズのチョコレートの総称。フィリングが入っているもの、ソリッド・チョコレートや種類の違うチョコレートをブレンドしたもの、チョコレートと他の素材をミックスしたものがある。チョコレート含有率25%以上が条件。
  • チョコラティーノとは外側コーティングに75%、フィリングに25%のチョコレートを含有するボンボン。
  • トリュフとはガナッシュを丸めてテンパリングし、クーベルチュールでコーティングした、茸のトリュフにのような形状のプラリン
  • ロシェとはフランス語で「岩」の意味。アーモンドなどで岩のゴツゴツ感を出したボンボン
  • マノンとは生クリームがベースのプラリネが入ったプラリン
  • プラリンとは外側コーティング部分25%、フィリング75%のチョコレートで作られたボンボン。中にフレッシュクリーム、ヌガー、マジパン、ナッツ、フルーツなどをセンターフィリング(詰め物)した、ひと口サイズのチョコレート。1912年ジャン・ノイハウスが開発。
  • バロタンとはプラリンを入れる台形の箱。それまで使用されていたコルネ型(円錐形)の入れ物ではチョコレートが壊れやすかったため、1915年ジャン・ノイハウスが作った。
  • ショコラショーとはホットチョコレート。フランスのココアは日本のものよりココオバターがたっぷり入って高級な味わい。
  • アーモンド・ペーストとは白いアーモンドを挽いて粉末状にし、湯通しし、砂糖を入れる。ピスタチオやオレンジ・ブロッサムを加えることもある。
  • ポマードカとは練乳と砂糖を煮詰めたものを練って作る、淡いカラメル味のクリーム。湯煎にかけて溶かし、プラリネ等を混ぜて使用
  • マジパンとは生アーモンドをひき潰し、煮詰めたシロップ、砂糖とフルーツを加え混ぜ合わせ糖化(再結晶化)させたものを、ローラーにかけてペースト状にしたもの。
  • グラッセとは表面をカラメル化する、シロップを塗る、フォンダンやチョコレート、ゼリーを薄くかける、糖液に浸して全体を被膜するなどによって、菓子の表面に光沢をつけたり、つや出しをする事。または、冷たくしたり凍らせること
  • ナペするとはクリーム、チョコレート、ソースなどをお菓子の表面全体にかけること。
  • コーティングとは溶かしたチョコレートとカカオ分の高いカカオバターを加えたものを上からかけたり、つけたりして全体をおおうこと。ボンボン・ショコラの表面を包むものとして使われる。
  • カラメリゼとは水飴、砂糖をカラメル色まで煮詰めること。
  • ヌテッラとは、ヘーゼルナッツペーストをベースに砂糖、ココア、脱脂粉乳、香料、乳化剤などを混ぜ合わせたスプレッド。イタリアのフェレロ社の登録商標
  • ブルーミングとは表面が白っぽく粉をふいたようになったり、小さな斑点ができる現象。ブルーム現象。シュガーブルーム(急激な温度変化によりチョコレートの表面に付いた細かい水滴に砂糖が溶け出して結晶化)とファットブルーム(一度溶けたカカオバターが表面で結晶化して起きる)がある。成分的には変わらないが、風味が落ち口当たりも悪くなる。
  • V.S.O.Pとはブランデーの熟成年数。Very Old=10年〜12年→Very Super Old=12年〜17年→Very Super Old Pale=20年〜25年→X.O.(Extra old)=25年以上
  • パルプとは果肉を裏ごしして、砂糖を加えずに煮たもの
  • ピールとは果物の皮。またはオレンジ、レモンの皮を砂糖漬けにしたもの
  • ピューレとは果物を煮てから裏ごしし、ミキサー等にかけて滑らかで濃度のある状態にしたもの
  • オランジェットとはホワイト・キュラソーを漬け込んだオレンジピール(甘夏の皮を砂糖漬けしたもの)にチョコレートを掛けたり、チョコレートに浸したりしたもの
  • アマンドショコラとはカラメルがけしたアーモンドをチョコレートで覆い、ココアパウダーをまぶしたもの。
  • ガトーオペラとはコーヒーシロップを含ませたビスキュイ・ジョコンド生地を数段重ね、その間にコーヒー風味のバタークリームをはさみ、上面にガナッシュを平らに塗って金箔を散らしたチョコレートケーキ。3枚のビスキュイジョコンドに挟まれ、コーヒーのクレームオブール、チョコレートのクリーム、表面にグラッサージュ・ショコラ。ガトーショコラ。1955年に老舗ダロワイヨのシリアック・ガビヨンが考案。装飾的なのが主流であった当時は、本店近くにあったパリ・オペラ座の舞台をイメージした、上が平らで四角いデザインは革新的であった。金箔がオペラ座のドーム上にあるアポロンの掲げる黄金の琴のように輝いて見えることから名付けられた。
  • ザッハトルテとはウィーンのホテル・ザッハが1832年に創出したスペシャリテ。チョコレートビスキュイを2段に切り、アプリコットジャムを挟み、表面をザッハグラズュールで覆ったものがホテル・ザッハの「オリジナルのザッハトルテ」。「デメルザッハトルテ」ではスポンジの表面のみアプリコットジャムが塗られる。無糖のホイップした生クリームとウィンナーコーヒーを添える。
  • ザッハグラズュールとは一定の温度まで煮詰めたグラニュー糖とチョコレートを粒子を丸くするために大理石の上で練って結晶化させたもの。
  • インペリアル・トルテとはホテル・インペリアル創業時にオーストリア皇帝への献上菓子として作られた。
  • ビスキュイとはスポンジケーキの総称。焼き菓子用のビスケットのような固い菓子生地。語源は「bis(二度)」「cuit(焼く)」であるが、今日では一度焼きがほとんど。
  • ジェノワ−ズとは「イタリアのジェノバ風」という意味。共立て式スポンジケーキ。ホットスポンジ
  • ジェノワ−ズ・ショコラとはココア入りスポンジケーキ
  • ヴィエノワーズとは「ウィーン風」という意味。別立て式スポンジケーキ
  • ビスキュイ・ジョコンドとはヴィエノワーズの代表的な生地
  • ノワゼットとはヘーゼルナッツ
  • ギモーブとはマシュマロ
  • カロンとは卵白に砂糖、アーモンドを加えて焼き上げ、クリームを挟んだもの
  • コンフィチュールとはジャム。ゆっくりと煮込んで野菜の甘みを出したもの。コンフィテュール
  • グラスとはアイスクリーム
  • パートドフリュイとはフルーツゼリー。パテ・ドゥ・フリュイ。果肉、砂糖、ペクチンをともに加え、ジェル状になるまで煮詰めること。より高い風味と、鮮やかな色合いと酸味が際立ってくる。最後にブロック状になったペーストをカットする。
  • ミニャルディーズとは食後のコーヒーと共に出されるチョコレートや、焼き菓子、マカロン、 チュイル、マシュマロなどの菓子。プティフール。語源は可愛さ、上品さの意味
  • プティフールセックとは小さな焼き菓子。プティフール。ミニャルディーズ
  • フォレ・ノワールとは黒い森。チョコレートを使ったデザートなどによく付けられる。
  • ガトーとはケーキ、デザート用焼き菓子。また、お菓子のように仕立てたことをさすことが多い。
  • プティガトーとはカットケーキ
  • アントルメとは小さめのホールケーキ。元の意味は料理の間に出る添え料理。
  • ピエスモンテとは高さ1〜2mの細工
  • デセールとはデザート
  • アシェットデセールとは皿盛りデザート
  • アソートとは商品の詰め合わせ。アソートメント
  • コフレとは小箱
  • スペシャリテとは名物や得意料理
  • サロン・ド・テとは主に紅茶を飲む店
  • デギュスタシオンとは試食
  • サロン・デュ・ショコラとは毎年10月にパリで開催されるチョコレートの祭典。salon du chocolat 

スイートスイーツセレクション―一度は食べたい!パティシエいち押しのスイーツ選集

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パリのカフェ&スイーツ案内

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高級ショコラのすべて (PHP新書)

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世界の一流ショコラ図鑑

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チョコレート・バイブル 人生を変える「一枚」を求めて

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●関連記事

*1:salon du chocolat 1995年に始まって以来毎年10月にフランス・パリで開催されるチョコレートの祭典。これを真似て、日本、アメリカ、中国、ロシアでも開催されるようになった

*2:2003年〜新宿伊勢丹

*3:2006年〜ジェイアール京都伊勢丹

*4:2006年〜名鉄百貨店本店

*5:2007年〜丸井今井札幌店

*6:2009年〜岩田屋本店

*7:2009年〜仙台三越

*8:2012年〜JR大阪三越伊勢丹

*9:デパートのWEBサイトや楽天提灯記事か、それ等をコピペしたブログ記事ばかり。例えばGrand Prix International Artisan ChocolatierでググってみればWEB上で出回っている情報の惨状が分かる

*10:本国以外で入手できるのは日本のみ

*11:ベルナシオンで学んだ三枝俊介

*12:オーストリア皇室御用達。「デメルを訪れずしてウィーンを語るなかれ」と言われる古都ウィーンを象徴する世界最高峰の洋菓子舗。ホテル・ザッハのスペシャリテで門外不出とされていたザッハトルテのオリジナルレシピを婚姻関係が結ばれたことから入手し扱うようになった。

*13:スペイン王室御用達

*14:世界一予約の取れない店といわれるスペインの有名店「エル・ブジ」のデザートシェフを経て独立し、デザート界のピカソとも言われる

*15:ショコラティエ川口行彦は1986年日本初のショコラトリー「和光チョコレートショップ ルショワ」を立ち上げ、2003年独立。クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラで日本人初の5タブレットを獲得

*16:辻口博啓、若林繁

*17:高木康政

*18:三枝俊介

*19:小杉和之

*20:土屋公二

*21:稲村省三

*22:ステファン・ヴュー

*23:デカダンスドュショコラから独立した三浦直樹

*24:及川太平

*25:ベルギーチョコレートのセレクトショップ。G-Bastin、Le Chocolatier Manon、Van Hecke、Goossens等の日本初上陸の老舗ブランド多数

*26:海外初出店

*27:林雅彦は1991年クープ・ド・モンド杉野英実と安藤明と共に団体優勝

*28:ワールド・チョコレート・マスターズ2007優勝者、水野直己

*29:インペリアルホテル直送のインペリアル・トルテを国内で唯一販売

*30:スペイン王室御用達

*31:中谷哲哉

*32:ブロードハースト・ピーター・ジョン

*33:中田浩

*34:白岩忠志

*35:小山進

*36:阪本達也

*37:垣本晃宏

*38:5年経過するたび行われる再審査によって現在は外されている

*39:ロゴマークの馬に乗った裸婦は、名前の由来になったゴダイヴァ夫人(Lady Godiva)で、英国詩人テニスン叙事詩「ゴダイバ」で知られる、11世紀頃ハーデクヌーズの治世時代のコベントリー地区の伝説。領主マーシア伯レオフリックは、重税を課し、領民は大変苦しんでいた。レディ・ゴディバ(God-gifu=神の賜物という意)と呼ばれる妻は領民を哀れみ、重税を止めるよう諫言した。あまりにもしつこい妻に領主は「お前が一糸纏わぬ姿で城下を駆け廻るなら、税を軽くしよう」と無理難題をふっかけた。ところが、ゴダイヴァ夫人はこれを実行に移したため、夫は約束通り苛政を改めたという。領民に「家の中にいて、窓も閉めていてください」とお願いし、皆それを守ったが、たった1人トムは覗き見をした。その瞬間に彼が失明した逸話からPeeping Tomの語源となった

*40:アルベルト2世国王の戴冠式ショコラティエ兼パティシエとして任命された

*41:カカオ豆からクーベルチュールを作っているのはフランスでも3店のみ

*42:頑なにリヨンの本店のみで家族経営を続け、支店を出さない門外不出の名店

*43:ロワール河畔のロアンヌにある

*44:アメデイと同じく“ショコラのロマネコンティ”といわれるチュアオがある

*45:「パティシエ&コンフィズール部門」と世界初の2部門受賞

*46:カカオ100%のチョコレートを世界で初めて実現させた