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掛け替えの無い友への私信

近頃では、誰かのために祝うことも
めっきり少なくなったけれど、
久しぶりに、しかもWEBを通じて、
私信を届けようと思う。
 
初めて会ったあの時の僕の年齢より、
君の年齢がとうに上回っているのだから、
改めて過ぎた月日の多さに驚かされるね。
 
僕が光を失い、少しずつ心が蝕まれ、
ついには取り返しがつかないくらいに
心を失っていたあの頃。
 
一回り近くも下の君に出逢えたことで、
自分のためにではなく、
他人のために何かをしたいと思えた、
あの瞬間から、ようやく、
真の人間らしさを、
取り戻せたのだと思う。
 
僕自身が、進むべき道から大きく逸れ、
報われない労苦をしていた時期だからこそ、
君の心の闇に深く共感できたし、
君の(そして自分の)道を正すことも、
できたのだと思う。
 
そして、そのことが、
僕の心を救ってくれた。
 
あれから、様々な状況の変化が、
お互いの住むところも生活も、
別れ別れにしたけれど、
今でも、
僕の人生が好転した最重要な転機は、
あの時の出逢いだったと、
確信しているよ。

しかも、その意味の大きさは、
実は、
年を重ねるほどに
強まっているんだ。
 
君と出逢えたことこそが、
僕の人生に与えられた、
至高の贈り物。
 
ありがとう。
 
そして、
誕生日、おめでとう。
 
これからの道のりに、
豊穣な実りがありますように。

デミアン (岩波文庫 赤435-5)

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