静謐であれば
いくら必死にたくさんの
石を海に投げたところで
なにも変わって見えはしない
それでも
来る日も来る日も
投げ続けてきた
僕にはそれしかなかった
いくら力いっぱい大きな
石を海に投げたところで
なにも変わって見えはしない
それでも
来る日も来る日も
投げ続けてきた
僕にはそれしかなかった
むなしさが襲う
イッタイナンノイミガアルトイウノカ
とうとう僕は投げるのをやめた
どれくらい経っただろうか
あれ以来足を運ぶこともなかった
あの海はまだ変わらないままだろうか
あの頃のように石を手に取り
庭の池に投げてみる
石は沈んですぐにまた見えなくなった
だが水面には波紋が広がっていた
そうか
穏やかなところでは
変化はしっかり見えるのか
※2005/04/19 0:45初出