なぜ弱音を吐くのか―理解しておいてくれると嬉しいこと

どうして、そんなネガティブな言葉ばかり言うの。。。
そう言わざるを得ない、彼の心情を汲む事が出来ずに
感情的になって、彼を叱責する私の言葉が
更に彼を疲労させ、自分自身も追い詰めているようで
最近、お互いの存在の意味が分からなくなっています


人と人が支え合って生きるって、難しいですね


歯車

僕の経験やわずかな心理学の知識で推し測るのでは、
的違いになるかもしれませんが、
思うところがあり、トラックバックさせて頂きます。


皐月さんの彼が愚痴をこぼすのは、
本当に悩んでいるというよりは、
「あなたは大丈夫。できるはずよ」と
信じてもらいたいのだと思います。
つまり、心の底では自負心があり、
それをストレートに誇るのをかっこ悪いと思い、
わざわざ自分を否定する言葉をはいて、
皐月さんにそれを否定してほしいのではないでしょうか。


実は僕もその昔、彼と同じようなことをして、
皐月さんと同じような反応をされたことがありました。
結局それが元で「この人は頼りない」
「仕事に自信をもってる人が好きなのに」
という不満を生んでしまいました。
でも、恋人でありながら相手を裁くのは、
あまり気持ちのよいことではないはずです。
それで僕の昔の恋人は、
「私がそばにいても励ましにならない」と
かえって自分を責め、結果として、
別れの遠因のひとつになったと、
自分の過去を分析しています。


それでは、どういう態度であれば、励ませるのでしょうか。

ここからは、大河ドラマ天璋院篤姫」から引用してみます。


このドラマの最大の見所は、天璋院様の広く受け入れる心にあります。
どんな人に対しても、なによりもまずその人の心を深く察し、自ら心を開くことで、人々の信頼と尊敬を勝ち取っていきました。


第22回、夫・家定に対し、真の夫婦になるためには、まず自らが本心を語るべきと考えた篤姫は、自分が大奥に輿入れしたのは慶喜を次期将軍とするためだと家定に告白し、信頼を得ました。


第32回、一橋派を弾圧(安政の大獄)した大老井伊直弼には、お茶の点前を一流と認めることで、対立した関係を修復しました。


第35回、大奥では京方との確執が続く中、薩摩軍を陰で糸を引いていると懐疑された天璋院が薩摩の品々を燃やすのを見た和宮は、故郷を捨て徳川家として生きる決意を貫く天璋院の姿に心打たれました。


そして極め付けは第46回、薩長軍との戦で朝敵(天皇の敵)となったことを知り、部下を捨て江戸へ逃げ帰るという大失態を犯した慶喜公とのお目通りの際、徳川家存続の為に自害して首を差し出す覚悟があると言う慶喜に対し、「綺麗事はもうよい」と返す天璋院
さらに慶喜助命の嘆願書を書くことにお力添え頂くよう静寛院にも促す天璋院の心遣いに驚く慶喜公。

「何故そこまでの事を。この慶喜の為に?」
「あなたは・・・家族です」
「家族・・・?」
慶喜公の間近に座り直す天璋院
「徳川という家に集まった家族である以上、
私は命を懸けてあなたを守らねばなりません」
と亡き夫の遺志を継ぐ決意を話す。


表情を和らげ、さらに言葉を続ける。
「あなたは聡明な人です。
全てが見通せてしまったのでしょう。
朝敵として追われる身になる事、
その末に更なる戦と流血が待っている事を」
「いえ、私は・・・」
思わぬ天璋院の理解を示す言葉に建前ではなく、
正直な思いを打ち明けようとする慶喜の言葉を遮り、
労いの言葉を投げかける。


「人の上に立つ者は孤独です。
その孤独の苦さ辛さは、味わった者でなければ分かりません。
大奥の者たち1000人を取り仕切っていくことでさえ、
時にその恐ろしさに身がすくみます。
それが、天下を治める将軍ともなれば、いかほどのものか・・・。
それをお分かりなのは、私の知る限り、家茂公と・・・夫であった家定公でした。」
涙を浮かべながら話し続ける。
「お二人とも将軍の重荷を背負われ、若くして亡くなりました・・・。
あなたは生きてください。お二人の分まで!
・・・これまでの御苦労、お察し申し上げまする」
と平伏す天璋院
「そのような・・・。
お手を・・・お手をお上げくださいませ」


皐月さんの彼がどのようなポストかは文面だけでは分かりかねますが、理不尽なことで責任を問われたり、追い詰められる場面は多々あることとお察しします。
よくないこととは分かっていても、つい身近な彼女にあたってしまったり、弱音を吐いたり、関白な態度で心の均衡を保とうとするのは、人間の本能的な「自己保存の欲求」の表れで、よくあることです。


好ましくない態度をされるほうにとってはたまらないとは思いますが、それだけ、皐月さんの存在を必要としている証であると僕は思うのです。
かといって、それをストレートに出しては、リードすることを求められている男性としての誇りを保つことが難しい。
だから、一般的に男性が女性に期待しているのは「尊敬しているよ」という気持ちが伝わる態度や言葉なのです。


というわけで、男性からのお願いは、実はほんの些細なことなのです。
心の中では「やれやれ。男はプライドの生き物なのね。でもなんかかわいい」などと思ってもかまいません。
虚勢も弱音も彼女に受け容れてもらえることで、男の面目がたち、社会生活からの様々な抑圧が癒され、心の均衡を取り戻すことができるようになり、次第に皐月さんへの態度も軟化することと思います。