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far niente


高熱に見舞われ
意識が朦朧とする中
見出してしまったのは


高嶺の花であるはずの
こんなにも
側にいる君


大好きな
その口癖や
その仕草が
身近にある悦びを
噛み締める間も無く


今の今まで
気付かないふりを
していたけれども



残酷な残像に
悩まされる前に


諦め顔の
サーカスの像の振りで *1


いつものように
上手に自分にさえ
嘘を吐き通し


なにもかもが
浅慮で
甘美なる無為であると


微熱の残った自分を
笑い飛ばせるから


2007/3/19 1:49初出

*1:サーカスの象は大きいが、ほんの小さな杭に鎖で繋がれている。象は決してその小さな杭を引き抜いて逃げようとはしない。その小さな杭に繋がれて不自由なままでいる。何故? この象は子供の頃からずっと繋がれている。はじめは自由になりたくて、何度も何度も鎖を引きちぎったり、その杭を引き抜いて逃げようと挑戦した。しかし、まだ小さなその体では、その鎖も杭は強固過ぎて、逃げることはできなかった。何度も何度も挑戦したのにも拘らず… そこで子象は信じるようになる。「自分の力では、とてもこの鎖は引きちぎれないし、杭は引き抜けない。自分には自由になる力はない。杭を抜こうと思ってもどうせ無理。挑戦するだけ無駄なんだ」 サーカスの象が繋がれているのは、鎖や杭にではない。「出来ない」という固定観念にである。