短編小説・掌編名作、傑作選367
短夜(みじかよ)に密やかに楽しみたい、掌(たなごころ)の小説傑作選。
ブログを書いていて楽しいことのひとつは、アンソロジストになれること。DJのようなコンポジット感覚への愉悦。これほど楽しい作業はない。そして一度書き上げたリストは時と共に移り行く。だから、この記事を誰も見なくなったずっと後であっても、時折、この不揃いなパッチワークの修正をし続けていくであろう。誰のためでもなく、自分の愉悦のために。(現在は絶版となったものもリストに挙げたが、未訳作品や、雑誌のみに邦訳され文庫本や単行本に収録されなかったものは、名作であっても除いた)
【アメリカ文学】
- O・ヘンリー「賢者の贈り物」
- O・ヘンリー「赤い酋長の身代金」
- O・ヘンリー「二十年後」
- O・ヘンリー「警官と賛美歌」
- O・ヘンリー「自動車を待つ間」
- O・ヘンリー「都会の敗北」
- O・ヘンリー「よみがえった改心」
- エドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」
- エドガー・アラン・ポー「黒猫」
- エドガー・アラン・ポー「盗まれた手紙」
- エドガー・アラン・ポー「ウイリアム・ウィルソン」
- エドガー・アラン・ポー「メールシュトレームの大渦」
- アンブローズ・ビアス「アウル・クリーク鉄橋での出来事」
- アンブローズ・ビアス「板張りの窓」
- フラナリー・オコナー「啓示」
- ヘンリー・スレッサー「ペンフレンド」
- ヘンリー・スレッサー「金は天下の回りもの」
- ヘンリー・スレッサー「伯爵夫人の宝石」
- ロバート・ブロック「ルーシーがいるから」
- チャールズ・ボーモンド「夢と偶然と」
- チャールズ・ボーモント「夜の旅」
- チャールズ・ボーモント「鹿狩り」
- チャールズ・ボーモント「墓場の土」
- ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「魔女屋敷で見た夢」
- ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「ダンウィッチの怪」
- ハワード・フィリップス・ラヴクラフト「インスマウスの影」
- シャーリイ・ジャクスン「くじ」
- スタンリイ・エリン「特別料理」
- リチャード・マシスン「人生モンタージュ」
- リチャード・マシスン「血の末裔」
- フランク・グルーバー「十三階の女」
- レイモンド・チャンドラー「赤い風」
- ウィリアム・アイリッシュ「裏窓」
- コーネル・ウールリッチ「爪」
- パトリシア・ハイスミス「恋盗人」
- カート・ヴォネガット・ジュニア「エピカック」
- フレドリック・ブラウン「狂った星座」
- フレドリック・ブラウン「星ねずみ」
- フレドリック・ブラウン「ミミズ天使」
- R・A・ラファティ「町かどの穴」
- テリー・ビッスン「熊が火を発見する」
- ロバート・シェクリイ「人間の手がまだ触れない」
- ロバート・シェクリイ「残酷な方程式」
- ジャック・フィニイ「愛の手紙」
- ジャック・フィニイ「レベル3」
- レイ・ブラッドベリ「びっくり箱」
- レイ・ブラッドベリ「キリマンジャロ・マシーン」
- レイ・ブラッドベリ「初めの終わり」
- レイ・ブラッドベリ「ハロウィーンがやってきた」
- レイ・ブラッドベリ「みずうみ」
- シオドア・スタージョン「ゆるやかな彫刻」
- シオドア・スタージョン「ビアンカの手」
- シオドア・スタージョン「それ」
- ロバート・F・ヤング「ジョナサンと宇宙クジラ」
- ジェイムズ・ティプトリー・Jr.「たったひとつの冴えたやりかた」
- ダニエル・キイス「アルジャーノンに花束を」
- フィリップ・K・ディック「追憶売ります」
- フィリップ・K・ディック「植民地」
- トム・ゴドウィン「冷たい方程式」
- サミュエル・R・ディレイニー「スターピット」
- アイザック・アシモフ 「夜来たる」
- アイザック・アシモフ 「われはロボット(アイ・ロボット)」
- スタンリイ・エリン「決断の時」
- コニー・ウィリス「見張り」
- ポール・ギャリコ「スノーグース」
- ポール・ギャリコ「雪のひとひら」
- アーシュラ・K・ル=グウィン「オメラスを歩み去る人々」
- フリッツ・ライバー「鏡の世界午前0時」
- トマス・ピンチョン「エントロピー」
- ジョン・スタインベック「蛇」
- ウィリアム・フォークナー「エミリーに薔薇を」
- トルーマン・カポーティ「ミリアム」
- リング・ラードナー「弁解屋アイク」
- アーネスト・ヘミングウェイ「キリマンジャロの雪」
- アーネスト・ヘミングウェイ「白い象のような丘」
- アーネスト・ヘミングウェイ「フランシス・マコーマーの短い幸福な生涯」
- アーネスト・ヘミングウェイ「何を見ても何かを思い出す」
- スコット・フィッツジェラルド「氷の宮殿」
- スコット・フィッツジェラルド「冬の夢」
- スコット・フィッツジェラルド「失われた三時間」
- スコット・フィッツジェラルド「自立する娘」
- レイモンド・カーヴァー「愛について語るときに我々が語ること」
- レイモンド・カーヴァー「ささやかだけれど、役にたつこと」
- レイモンド・カーヴァー「大聖堂」
- ジョン・アップダイク「A&P」
- J・D・サリンジャー「バナナフィッシュにうってつけの日」
- ポール・ボウルズ「優雅な獲物」
- ポール・ボウルズ「私ではない」
- フランク・R・ストックトン「女か虎か」
- シャーウッド・アンダソン「ワインズバーグ・オハイオ」
- シーベリー・クイン「道」
- イーサン・ケイニン「頭の中で何かがかちんと鳴る」
- デイモン・ラニアン「ミス・サラー・ブラウンのロマンチックな物語」
- フィッツ・ジェームズ・オブライエン「あれは何だったか?」
- シャーロッテ・パーキンズ・ギルマン「黄色い壁紙」
- ラフカディオ・ハーン「怪談」
- エドワード・ルカス・ホワイト「ルクンド」
- ジョン・マーテョン・リーイ「アムンゼンの天幕」
- ゼリア・ビショップ「イグの呪い」
- デイヴィッド・H・ケラー「地下室の怪」
- ヘンリー・ホワイトヘッド「わな」
- カール・ジャコビ「黒の告白」
- キャサリン・ルーシル・ムーア「シャンブロウ」
- クラーク・アシュトン・スミス「二重の影」
- レイ・ラッセル「サルドニクス」
【イギリス文学】
- サキ「開いた窓」
- サキ「二十日鼠」
- サキ「狼少年」(「ガブリエル-アーネスト」)
- サキ「スレドニ・ヴァシュター」
- サキ「おせっかい」
- サキ「ある殺人犯の告白」
- サキ「七つのクリーム壷」
- サキ「平和的玩具」
- サキ「アン夫人の沈黙」
- サキ「宵闇」
- サマセット・モーム「雨」
- サマセット・モーム「赤毛」
- ロード・ダンセイニ「電気王」
- ロード・ダンセイニ「二壜のソース」
- ウォルター・デ・ラ・メア「なぞ」
- レオノーラ・キャリントン「最初の舞踏会」
- ロアルド・ダール「南から来た男」
- ロアルド・ダール「女主人」
- ジョン・コリア「夢判断」
- ジョン・コリア「ビールジーなんているもんか?」
- ダフネ・デュ・モーリア「恋人」
- ダフネ・デュ・モーリア「鳥」
- ウィリアム・トレヴァー「イエスタデイの恋人たち」
- マーヴィン・ピーク「死の舞踏」
- ジェイムス・ジョイス「死せる人々」
- J・G・バラード「時間の庭」
- ハーバート・ジョージ・ウェルズ「赤い部屋」
- ウィリアム・バトラー・イェイツ「声」
- ラッセル・バンクス「ムーア人」
- ロバート・L・スティーヴンソン「びんの小鬼」
- ロバート・L・スティーヴンソン「ジーキル博士とハイド氏」
- ラドヤード・キップリング「彼等」
- ラドヤード・キップリング「損なわれた青春」
- ラドヤード・キップリング「幽霊人力車」
- アイリス・マードック「何か特別なもの」
- ウィリアム・トレヴァー「がまんの限界」
- アンガス・ウィルソン「いやみな訪問」
- エドナ・オブライエン「恋づくし」
- イーヴリン・ウォー「スコット・キングの現代ヨーロッパ」
- アラン・シリトー「復讐」
- アントニー・バークリー「偶然の審判」
- ルース・レンデル「分身」
- ジョージ・ムーア「懐郷」
- ヴァージニア・ウルフ「Q植物園」
- V・S・ナイポール「名前のないモノ」
- シェリダン・レ・ファニュ「カーミラ」
- アーサー・マッケン「パンの大神」
- ウィリアム・ウィマーク・ジェイコブズ「猿の手」
- アルジャーノン・ブラックウッド「柳」
- フレデリック・マリヤット「幽霊船」
- エドワード・ジョージ・ブルワー・リットン「妖精の家」
- モンターギュ・ローズ・ジェームズ「マグナス伯爵」
- マリオン・クロフォード「上段寝台」
- マシュー・フィップス・シール「ゼルチャ」
- アルフレッド・エドガー・コパード「アダムとイブ」
- エドワード・フレデリック・ベンスン「芋虫」
- メイ・シンクレア「胸の火は消えず」
- ジョン・バカン「スカル・スカーリイ」
- トマス・バーク「オッターモール氏の手」
- ヒュー・ウォルポール「銀仮面」
- ウィリアム・フレイヤー・ハーヴェイ「炎天」
- ナイジェル・ニール「沼」
【フランス文学】
- ギ・ド・モーパッサン「椅子直しの女」
- ギ・ド・モーパッサン「水の上」
- ギ・ド・モーパッサン「首飾り」
- ギ・ド・モーパッサン「宝石」
- ギ・ド・モーパッサン「オルラ」
- ギ・ド・モーパッサン「二人の友」
- ギ・ド・モーパッサン「メヌエット」
- ギ・ド・モーパッサン「シモンのパパ」
- オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン「ヴェラ」
- オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン「ヴィルジニーとポール」
- オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダン「残酷物語」
- アンドレ・ブルトン「自由な結びつき」
- ジュリアン・グラック「街道」
- マルセル・エイメ「壁抜け男」
- アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ「仔羊の血」
- アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ「ダイヤモンド」
- アルトゥール・シュニッツラー「死んだガブリエル」
- アルトゥール・シュニッツラー「夢小説」
- ジュール・シュペルヴェイル「沖の娘(海に住む少女)」
- ジョルジュ・バタイユ「マダム・エドワルダ」
- ギヨーム・アポリネール「オノレ・シュブラックの失踪」
- グザヴィエ・フォルヌレ「草叢のダイヤモンド」
- シャルル・クロス「恋愛の科学」
- マルセル・ベアリュ「水蜘蛛」
- アナトール・フランス「ユダヤの太守」
- アルベール・カミュ 「客」
- オノレ・ド・バルザック「知られざる傑作」
- スタンダール「ヴァニナ・ヴァニニ」
- マルセル・プルースト「ある少女の告白」
- ギュスターヴ・フローベール「聖ジュリヤン伝」
- モーリス・ブランショ「究極の言葉」
- ジャン=ポール・サルトル「壁」
- フランソワーズ・サガン「ジゴロ」
- プロスペル・メリメ「タマンゴ」
- プロスペル・メリメ「マテオ・ファルコネ」
- プロスペル・メリメ「イールのヴィーナス」
- アルフォンス・アレー「親切な恋人」
- マルセル・シュオッブ「ある歯科医の話」
- マルセル・シュオッブ「黄金仮面の王」
- シャルル=ルイ・フィリップ「バタの中の猫」
- ヴァレリー・ラルボー「ローズ・ルルダン」
- ジョルジュ・ランブール「ヴェネチアの馬」
- ウージェーヌ・イヨネスコ「大佐の写真」
- ウージェーヌ・イヨネスコ「空中散歩者」
- ロマン・ギャリー「ペルーの鳥」
- マルグリット・デュラス「ボア」
- ジョルジュ・ランジェラン「蝿」
【ドイツ文学】
- フランツ・カフカ「変身」
- フランツ・カフカ「万里の長城」
- フランツ・カフカ「断食芸人」
- トーマス・マン「幻滅」
- E.T.A.ホフマン「砂男」
- E.T.A.ホフマン「隅の窓」
- E.T.A.ホフマン「悪魔の霊薬」
- フリードリヒ・フーケ「ウンディーネ」
- イルゼ・アイヒンガー「縛られた男」
- ヴォルフガング・ボルヒェルト「タンポポ」
- ハインリヒ・シルムベック「鏡の迷路」
- ペーター・ハントケ「左ききの女」
- フェリペ・アルファウ「アイデンティティ」
- ハンス・ハインツ・エーヴェルス「蜘蛛」
【イタリア文学】
- イタロ・カルヴィーノ「柔らかい月」
- イタロ・カルヴィーノ「最後に烏がやって来る」
【デンマーク文学】
- アイザック・ディネーセン「猿」
【ポーランド文学】
- スタニスワフ・レム「あなたにも本が作れます」
【イスラエル文学】
- アブラハム・B・イェホシュア「エルサレムの秋」
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス「死とコンパス」
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス「円環の廃墟」
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス「南部」
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス「ウルリーケ」
- ホルヘ・ルイス・ボルヘス「伝奇集
- フリオ・コルタサル「局面の終わり」
- フリオ・コルタサル「奪われた屋敷」
- フリオ・コルタサル「つづいている公園」
- アドルフォ・ビオイ=カサレス「大空の陰謀」
- アドルフォ・ビオイ=カサレス「モレルの発明」
- エンリケ・アンデルソン・インベル「魔法の書」
- アウグスト・モンテローソ「ディノザウルス(恐竜)」
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「純真なエレンディラと非情な祖母の信じ難くも悲惨な物語」
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「大きな翼のある、ひどく年老いた男」
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「大佐に手紙は来ない」
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「この世でいちばん美しい水死人」
- ガブリエル・ガルシア=マルケス「青い犬の目」
- オラシオ・キローガ「羽根枕」
- ファン・ルルフォ「マカリオ」
【ロシア文学】
- アントン・チェーホフ「男爵」
- アントン・チェーホフ「かわいい女」
- アントン・チェーホフ「犬を連れた奥さん」
- アントン・チェーホフ「ヨーヌイチ」
- アントン・チェーホフ「まぼろし」
- ニコライ・ゴーゴリ「鼻」
- ニコライ・ゴーゴリ「外套」
- ニコライ・ゴーゴリ「ヴィー」
- アレクサンドル・プーシキン「スペードの女王」
- ウラジーミル・ナボコフ「チョルブの帰還」
- ウラジーミル・ソローキン「真夜中の客」
【インド文学】
【中国文学】
- 莫言「秋の水」
- 袁牧「子不語」
【日本文学】
- 夏目漱石「夢十夜」
- 芥川龍之介「舞踏会」
- 芥川龍之介「藪の中」
- 芥川龍之介「羅生門」
- 芥川龍之介「地獄変」
- 芥川龍之介「歯車」
- 芥川龍之介「蜃気楼」
- 芥川龍之介「玄鶴山房」
- 芥川龍之介「蜜柑」
- 芥川龍之介「魔術」
- 芥川龍之介「鼻」
- 芥川龍之介「蜘蛛の糸」
- 芥川龍之介「手巾」
- 芥川龍之介「秋」
- 芥川龍之介「トロッコ」
- 芥川龍之介「河童」
- 川端康成「無言」
- 川端康成「片腕」
- 川端康成「顕微鏡怪談白馬」
- 三島由紀夫「仲間」
- 泉鏡花「春夢」
- 泉鏡花「外科室」
- 泉鏡花「化鳥」
- 泉鏡花「二、三羽―十二、三羽」
- 泉鏡花「竜潭譚」
- 泉鏡花「国貞えがく」
- 谷崎潤一郎「ある少年の怯れ」
- 江戸川乱歩「押絵と旅する男」
- 江戸川乱歩「芋虫」
- 稲垣足穂「一千一秒物語」
- 稲垣足穂「生命に就て」
- 山東京伝「江戸生艶樺焼」
- 上田秋成「雨月物語」
- 中島敦「木乃伊」
- 中島敦「文字禍」
- 中島敦「山月記」
- 中島敦「李陵」
- 中島敦「弟子」
- 中島敦「名人伝」
- 永井荷風「短夜」
- 永井荷風「葡萄棚」
- 里見紝「恋ごころ」
- 岡本綺堂「青蛙堂鬼談」
- 坂口安吾「桜の森の満開の下」
- 坂口安吾「私は海をだきしめていたい」
- 坂口安吾「夜長姫と耳男」
- 中井英夫「黒塚」
- 武田泰淳「ひかりごけ」
- 尾崎翠「第七官界彷徨」
- 幸田露伴「幻談」
- 山本周五郎「その木戸を通って」
- 梶井基次郎「檸檬」
- 中勘鋤「銀の匙」
- 久生十蘭「湖畔」
- 久生十蘭「ハムレット」
- 久生十蘭「母子像」
- 岡崎弘明「自転する男」
- 野上弥生子「或る男の旅」
- 永井龍男「蜜柑」
- 牧野信一「ゼーロン」
- 山川方夫「親しい友人たち」
- 星新一「ある装置」
- 星新一「おーい、でてこーい」
- 星新一「午後の恐竜」
- 星新一「処刑」
- 星新一「生活維持省」
- 星新一「鍵」
- 筒井康隆「天使の落とし文」
- 安部公房「闖入者」
- 阿刀田高「蛇」
- 阿刀田高「ゴルフ事始め」
- 阿刀田高「来訪者」
- 結城昌治「替玉計画」
- 藤野千夜「彼女の部屋」
- 倉橋由美子「パルタイ」
- 金井美恵子「栗」
- 曽野綾子「長く暗い冬」
- 井上光晴「眼の皮膚」
- 大江健三郎「性的人間」
- 深沢七郎「ろまんさ」
- 横溝正史「鬼火」
- 松本清張「潜在光景」
- 藤沢周平「枯野」
- 瀬戸内晴美「夏の終り」
- 萩原朔太郎「死なない蛸」
- 田中英光「野狐」
- 野呂邦暢「水晶」
- 吉行淳之介「鞄の中身」
- 庄野潤三「静物」
- 橋本治「ふらんだーすの犬」
- 村上春樹「午後の最後の芝生」
- 村上春樹「納屋を焼く」
- 村上春樹「めくらやなぎと眠る女」
- 村上春樹「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
- 村上春樹「タクシーに乗った男」
- 村上春樹「プールサイド」
- 村上春樹「パン屋再襲撃」
- 吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」
- 川上弘美「おめでとう」
- 小川洋子「偶然の祝福」
- 重松清「セッちゃん」
kazuouさんの「私家版・世界幻想短編集十選」のようにジャンルを絞るか、またはidiotapeさんの「アメリカ短編小説二十選(私家版)」のように国別に絞ることも考えたが断念。
ミルハウザ『アウグスト・エッシェンブルク』を入れたかったが、中篇になってしまうのでNG
Aiasさんの「短編小説二十選」
…では、今度は中篇でリストを作ってみよう。モーパッサン「脂肪の塊」を筆頭に。
最後に、短篇(掌篇)の素晴らしさを表現した名文を紹介する。
短篇であること。“one sitting”で一気に読み切ることができる長さの文章であることのなかには、特別の叡智が隠されている。論理の構造を積み重ねてゆく複雑な手続きを経ることなしに、直覚的なアイディアや表現によって全てを了解させてしまう言語の閃きの力。思考の緊張を繋ぎ止め、イマジネーションの素早い飛翔と着地とを実現する語りのスピード感。物語の冗長や弛緩を回避し、透明な簡潔性の充満する言語空間を提示するシンプリティの美学。この「短いこと」に由来する叡智が隠された文章には、常に特異な輝きが満ち溢れている。そしてこの緊張を孕んだ「瞬間の叡智」に感応する為には、読書の間に一生の全てを生き尽くす位の蕩尽が必要なのだ。掌篇達は、そうした瞬間的に閃く叡智を内部に抱き抱えていることによって、私達のたった一つの「生命」を何度も生き直させてくれる力を持っているのである。
今福龍太