一年の計

かないっこないな。
両親や兄に会うたびにそう思う。
帰省したときの最後の見送りの
寂しがりようは尋常じゃない。
こんな大人になってもずっと変わらず
可愛がられている僕はほんとに幸せ者だ。
別れ際に見せる、あの淋しさを消そうとする
笑顔の有難さを感じられるようになったことが
何よりも幸せなんだと思う。  
   
そんな辛い別れの後に、今度は地元の友達が
元旦早々、会う時間を作ってくれた。
他の人にはとても話せないようなことまで
何でも話を聞いてくれたおかげで、
とても心が軽くなったし、
話していくうちに、気持ちの整理も付いた。
きっと、いつもこうして話せていたら、
不眠にはなってないんだろうな。
そうそう、実をいうとね、話をしている途中で、
二人きりで話してる状況に改めて意識してから、
今更ながら緊張してしまっていたんだ。
だって、初めて会った頃と変わらず
素敵だったから。

おまけに、帰りには寒い中、駅のホームまで見送って
くれるものだから、緊張は頂点に達したよ。
電車のドアが閉まったときに、寒さで曇った窓ガラスを
拭いた向こう側に見えた「じゃあね」と告げた友達の、
寒さで白くなった息を眺めていたら、
雪国の別れのシーンが、どうしてこんなに
センチメンタルなのか分かった気がしたよ。   

優しさと思いやりに触れたスタートを切った
今年のテーマは、「絆」にしようと思う。
大切な人たちに、感謝をいっぱい伝える、
そんな一年にしたいんだ。

いつも、ありがとう。
今年も、よろしくね。

雅量

二枚の三角定規で描いた
平行線のように
どこまでも真直ぐに続く轍
二人が辿り着いた得難い絆

誤解
理解
氷解
和解

乗り越えた数だけ
深めた信頼

これ以上求めようがない程
居心地がよい存在

何故だろう
繭の中の快適さは
時に閉塞感に変わる

高邁な理想を実践する充足感が
この心を捉え続ければよいのに

激情に絡め取られて
大切なものを失わぬよう
媚薬の呪縛を解き放ち
超然たる矜恃を持てますように


素敵な一年を有難う

すべてがあなたに

なにをしてても
どこにいても
だめなんだ
すべてがあなたに
つながっていく


なにをきいても
だれをみても
だめなんだ
すべてがあなたを
おもいださせる



はなれていても
ともにいても
だめなんだ
すべてはあなたで
あなたがすべて



涙が止まらないよ歌詞→http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=A03309

I miss you like crazy

「情熱的な思いは熱病みたいなもので、一時的な感情よ」
 
そんなことはない、と否定する代わりに
悪戯に歪めた口元を見つめる
 
 
冗談、冗談、と謝るときに
つい手を握るのも
 
寒いね、と言いながらも
地下通路を通らずに寄り添い歩くのも
 
終電時間を過ぎたことに気付かないほど
たくさんおしゃべりするのも
 
別れ際になるとそれまでと打って変わって
無口になるのも
 
さっきまで会ってあんなに話していたのに
またすぐに電話したくなるのも
 
 
いずれ醒めてしまえば
露と消えると言うの?
 
 
平熱に戻るときが来たら
愚かな自分を笑うだろうか
 
思った通りね、とあなたはまた
口を歪めるのだろうか

  
いつかそんな寂しい日が訪れるとしても
臆せずこの瞬間に感じている思いを届けよう
 
思いがけず熱病に共鳴したあなたがくれた
メールを時折読み返しながら

折り紙つき

今は未だ、
言葉或いは行為が至らないことで、
あなたに誤解を与えて傷つけたり、
不快な思いをかけたりするかもしれない。
穴だらけの理論や主張の矛盾に
ときに激しい反感を覚えるかもしれない。
怒りや憎しみが心を蝕み、
全てを放り出したくなるときだってあるだろう。
 
それでも。
 
伝えたい言葉があって、
繋がることを諦めずにいる限り、
氷解できる機会が得られる。
疑念のフィルターを外し、
互いの思いを信頼し、想像し合い、
言葉を紡ぎ合えば、
そこで見つかる配慮や期待を感じ、
更には強がり、不安、寂しさまでもを
思いやりを持って汲み取れば、
最後には、ごめんねと言い合える。
 
乗り越えた後は、試練の前よりも
ずっと太い糸で繋がっている。
意味の無い試練は、きっと無い。
 
でも、そこに到達できる確率は、
恐ろしく低いのだと思う。
大抵は、決裂してしまうもの。
どちらか一方でも、わがままな思いを
押し付けようとしたら、本当にお仕舞。
 
なかなか理解しあえる機会が本当に少ない中、
こうして共に成長し合える関係でいられるのは、
きっと、あなたと僕が
飛び切りのマリアージュだからだね。

No pain, No gain

責任を引き受ける覚悟があるかどうかは、
振る舞いや発言に表れる。
覚悟ならしている。
徐々に、ではあるけれども。
 
関係を築くまでには、過程があって、それに伴い、
心も状況も変容していく。
「不変」というのは、一長一短で、
それによって、不信に思うこともあれば、
挽回ができて救われることがある。
ちょうど第一印象が最悪の相手と恋に落ちるように。
 
「そういうのは、無し」で失われた境界線によって、
「心を許せている」という領域に至れた。
 
「求めてはいけないから」という弁明を受け入れ、
「気を遣わなくてもいられる」安心感を与えられた。
 
進んだのか
退いたのか
完成されたのか
砕け散ったのか
 
自分だけがしてあげられること
欲しいのはレーゾンデートル
 
答えは相手に委ねることにしたとき
得られたのは「救われている」のひとこと。
 

深い深い海の底に沈み
塩をかけられたなめくじのように消え
これまで関わった全ての人の記憶からも消え
人生そのものを消去してしまいたい
 
そんな虚無感から救えるのなら応えたい
でも

言葉での伝達による誤謬率はあまりに大きい。
話した言葉に偽りはなくても
届いたときには全く別の作用を始めてしまう。
一緒にいるときに交わした視線や息遣い、
手や足の何気ない動き
きっとそういうものだけが、
真実を伝えている。
 
誰もが心に闇を抱えていて、
不安や不信、嫉妬や独占欲、
そういう隠れた欲望を違う形で、
関係する相手にぶつけたりする。
 
そういうのが愛おしいと思えるように
なるまで、随分と遠回りしてきたけれど、
そういう受け皿ができたことで、
受けるはずの傷を最小限に留めさせている。
No pain, No gain.
傷ついた経験は、こんな優しさを産むんだよ。
たくさん傷ついた僕には、
その痛みを少しは共感できるから。
 
一方、僕の思いが届かないときには、
やっぱり詩的表現に昇華していくほかはない。
過ぎ去った思い出の嫌なことは忘れてしまい、
楽しかった記憶だけが何故か残るのと同じように、
今起こっている出来事を美しい思い出で表現し、
ずっと残しておきたいと願っている。
だから、こんな日にはBONNIE PINK「Last Kiss」を
エンドレス・リピートするんだ。歌詞→http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=B06356

言葉と思い

この思いを表現しようとした途端、
違ってしまっている。 
 
大切にしたい
守りたい
抱き締めたい
会いたい
話したい
 
そんなふうに口にしたら、
本当に伝えたかったはずの思いは
空中分解してしまうんだ。
 
ありがとう
ごめんね
 
伝達の際に歪みの少ない、
このふたつの言葉だけが
本質を伝えてくれる。
 
ままならない思い
もどかしさ
寂しさも強がりも全部
この言葉に委ねよう
 
ごめんね
そして、
ありがとう