一年の計

かないっこないな。
両親や兄に会うたびにそう思う。
帰省したときの最後の見送りの
寂しがりようは尋常じゃない。
こんな大人になってもずっと変わらず
可愛がられている僕はほんとに幸せ者だ。
別れ際に見せる、あの淋しさを消そうとする
笑顔の有難さを感じられるようになったことが
何よりも幸せなんだと思う。  
   
そんな辛い別れの後に、今度は地元の友達が
元旦早々、会う時間を作ってくれた。
他の人にはとても話せないようなことまで
何でも話を聞いてくれたおかげで、
とても心が軽くなったし、
話していくうちに、気持ちの整理も付いた。
きっと、いつもこうして話せていたら、
不眠にはなってないんだろうな。
そうそう、実をいうとね、話をしている途中で、
二人きりで話してる状況に改めて意識してから、
今更ながら緊張してしまっていたんだ。
だって、初めて会った頃と変わらず
素敵だったから。

おまけに、帰りには寒い中、駅のホームまで見送って
くれるものだから、緊張は頂点に達したよ。
電車のドアが閉まったときに、寒さで曇った窓ガラスを
拭いた向こう側に見えた「じゃあね」と告げた友達の、
寒さで白くなった息を眺めていたら、
雪国の別れのシーンが、どうしてこんなに
センチメンタルなのか分かった気がしたよ。   

優しさと思いやりに触れたスタートを切った
今年のテーマは、「絆」にしようと思う。
大切な人たちに、感謝をいっぱい伝える、
そんな一年にしたいんだ。

いつも、ありがとう。
今年も、よろしくね。