人生はソナタ形式
これしきでへこたれてなんかいられない
口をきゅっと結んで
天を仰いだ
空を横切る五線譜では
月がCメジャーをヴィヴァーチェに刻み
負けじと鳥たちがクレッシェンドする
そこへそっと指先でアンダンテを加えた
思いの強さはフォルテ・フォルティッシモでも
奏でるテンポはアンダンテ
各小節には反復記号
提示された主題たち
やがて迎える最終楽章には
予め定められたかのように調和が成され
その見事さの前で言葉を失う
恋愛を主とする人間関係の場においてアイデンティティ模索をする人なら誰しも一度や二度は考える程度の冗長さで、特に珍しくはないことです
そもそも自我同一性を確立する過程は冗長なもの。
人生はソナタ形式のようなものだと僕は捉えている。
曲ができたときには、その構成の美しさに
なにひとつ無駄なものはないと悟るであろう。
追伸:今度の作品を上梓するときには、id:mike_nさんに献本しますね。